Bravissima!ブラヴィッシマ
「いやーん!芽衣、おめでとう!」
「ありがとう。弥生ちゃんも、おめでとう!」

同じ頃。
いつものように二人でランチを食べながら、芽衣と弥生は互いに結婚の報告をしていた。

「あー、もう、嬉しい!何が嬉しいって、私達が同時に幸せになれたこと。ね?芽衣」
「うん!私もそれが何より嬉しい。弥生ちゃん、本当に高瀬さんとお似合いだもん。これでお父さんもひと安心だね」
「あはは!そうね。さすがのお父さんも公平さんのこと、非の打ちどころがないって、べた褒めしてた。芽衣のご両親はどうだった?」
「びっくりしてた。あんなに素晴らしいヴァイオリニストがうちの娘を?!って」
「そっか。お母さんピアニストだから、余計に如月さんのすごさが分かるんだろうね。お父さんは?やっぱり複雑そう?」
「ううん。だって聖さん、ピシッとスーツ着て頭下げてくれたの。『芽衣さんを必ず幸せにいたします』って言って。お父さん、感激して涙ぐんでた。今まで誰ともおつき合い出来なかった娘が、こんなにも素敵な方と結婚させてもらえるなんてって」

すると弥生は、「あらあら、ご馳走様」と笑う。

「なによー。弥生ちゃんだってラブラブでしょ?高瀬さんに愛されて、もう眩しいくらいに輝いてるもん」
「ふふっ、だって幸せなんだもーん。もうね、イタリア人なの?ってくらい、愛してるよ、可愛いねってたくさん言ってくれるの」
「へへーんだ。私だって愛されてるもんね。聖さんは愛してるって言わないけど、やべー、可愛いー、たまんねーって、心の声がダダ漏れなんだからね!」
「あはは!何それ、独特!けどあの如月さんがそんなにメロメロになるなんて。すごいね、芽衣の魅力って」
「えへへー、そうかな?」

両手で頬を押さえてヘラヘラ笑う芽衣に、弥生は意味ありげに言う。

「で?色気は身に着いた?」
「うぐっ、まだです……」
「ふうん。如月さん、本気で芽衣に惚れてるね。すっごく大事にしてるんだろうな」
「あ、はい。それは感じます」
「じゃあ楽しみにしてるね。芽衣が妖艶にハバネラを弾ける日を」
「あはは、がんばりまーす」

その後は二人で美味しいケーキを食べながら、結婚式の話題になった。

式場はどこにする?どんなドレスにする?一緒に試着に行こうか!と楽しい会話は尽きない。

愛する人との結婚式の準備を、親友と一緒に進められる。

芽衣と弥生は、そのことが何よりも嬉しかった。
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