Bravissima!ブラヴィッシマ
パガニーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲 第2番 第3楽章《ラ・カンパネラ》

難曲にも関わらず、初めてとは思えないほど、息ぴったりに弾きこなす二人の演奏。

1+1の足し算でも、かけ算でもない。
二人の音の広がりは、まさに化学反応そのもの。

互いを高め合い、共に登り詰めていく。

どこまでも突き抜けていく、光の矢のような輝かしい音の響き。

生き生きと力に満ち溢れた二人の表情。

(こんな聖は見たことがない)

いつかの教授の言葉を思い出す。

聖くんを本気にさせたい。聖くん自身も気づいていない新たな魅力を引き出したい。そういうことだね?

(まさにそうです。佐賀先生)

天から才能を授かった二人が共鳴する瞬間に立ち会い、公平はもはや恐ろしささえ感じていた。
< 15 / 145 >

この作品をシェア

pagetop