Bravissima!ブラヴィッシマ
大人の色気
「おはようございます」

翌朝。
公平がキッチンで朝食を作っていると、芽衣が笑顔で部屋に入って来た。

「おはよう。よく眠れた?」
「はい、もうぐっすり。あんなに豪華なお部屋なんですもの。もう貴族の気分でしたよ」
「はは!それは良かった。じゃあ朝食食べようか」
「えっ、もう作ってくださったんですか?すみません、何もお手伝いしなくて」
「好きでやってるから、気にしないで。聖は多分まだ起きて来ないから、先に食べよう」

二人はダイニングテーブルにオムレツやクロワッサン、サラダやフルーツを並べる。

「美味しそう!いただきます」
「芽衣ちゃん、これもどうぞ。搾りたてのオレンジジュース」
「わあ、ありがとうございます。なんて優雅な朝食。私もう日常生活に戻れそうにありません」
「じゃあ、ここにいる間は堪能してね」

公平は終始芽衣を優しく気遣った。

朝食を食べ終わると、公平はコートと車のキーを手に芽衣に声をかける。

「芽衣ちゃん、ちょっと食料品買いに行ってくるね。何か欲しいものある?」
「いえ、大丈夫です。すみません、お世話になりっぱなしで」
「気にしないでってば。じゃあ留守番頼むね」
「はい、お気をつけて」

公平を見送ると、芽衣は食器を洗ってから早速ピアノの前に座った。
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