Bravissima!ブラヴィッシマ
またね!ひめこ
「おはようございます。って、もうお昼ですね」
11時に目が覚めた芽衣がシャワーを浴びてからリビングに行くと、公平がコーヒーを淹れていた。
「あはは!そうだね。おそよう、芽衣ちゃん。よく眠れた?」
「はい。高瀬さんは?相変わらず早かったんですか?」
「いや、俺も今下りてきたとこ。はい、コーヒーどうぞ。聖が起きてきたらおせち料理食べよう」
「ありがとうございます」
二人向かい合って座り、コーヒーを味わった。
「あー、明後日の朝にはここを出るんですよね。寂しいなあ」
「それだけ楽しかったってこと?」
「はい!それはもう。夢のような時間でした。あと2日、みっちりがんばります」
「お正月くらい、休んだらいいのに」
「休む方が辛いですから。でもなあ、結局ハバネラは掴めそうにないです。しょんぼり……」
うつむく芽衣に思わず公平は笑い出す。
「芽衣ちゃんって、時々心の声がもれてるよね」
「え?そうですか?」
「うん。感受性が豊かな証拠だね」
「そうでしょうか?色気は欠落してますけど」
「まあ、それはね。仕方ないよ」
「えー?!否定してくれないんですか?もう、しょぼぼん……」
あはは!と公平は更におかしそうに笑う。
すると聖があくびをしながら階段を下りてきた。
「ふわー、はよ」
「聖、あくびの延長でおはよう言うな。まったく……。新年早々、相変わらずの通常版だな」
「ん。そんな簡単に生まれ変われない」
「そうだけど。ほら、コーヒー飲んで目を覚ませ」
聖は半分目を閉じたままコーヒーに口をつける。
「やれやれ、一年の計は元旦にありっていうのに。聖は今年もそのまんまなんだろうな。さてと、おせちの準備するか」
公平が立ち上がると、芽衣も「お手伝いします」とキッチンに立った。
「うわー!高瀬さん、和食もこんなにたくさん作れるんですね。さすがです。どれもこれも美味しそう」
幸先いいなあと、芽衣は笑顔でテーブルに料理を並べた。
「それでは、改めまして。新年明けましておめでとうございます」
「おめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
三人で乾杯して、温かいお雑煮や美しく盛り付けられた品々に手を伸ばす。
「んー、味付けも優しくて美味しいです。身体にも良さそう。なんて贅沢なお正月」
「芽衣ちゃん、大げさだな」
「そんなことないですよ。だって高瀬さんのお料理、心が込もってますもん。見た目も綺麗だし、味わいも深くて」
「そう言ってもらえると、作った甲斐があったよ。誰かさんはいつもパクパク食べてばかりですがね」
公平が嫌味っぽく視線を送ると、聖は、ん?と顔を上げた。
「公平の料理がうまいのなんて、今に始まったことじゃない。美味しいに決まってる」
「だからって将来の奥さんにはちゃんと言うんだぞ?君の手料理はいつも美味しいよ、ありがとう、マイスイートハートって」
ブホッと聖はお雑煮を吹き出しそうになる。
「どのツラ下げてそんなこと言うんだよ?」
「そのツラ」
「言えるか!蕁麻疹が出るわ」
「あーあ、こりゃスピード離婚だな」
「結婚しなきゃいいんだろ?俺は公平の料理が食べられればそれでいい」
「俺が嫌なんだよ!」
まあまあと、芽衣は二人の間に手を差し出した。
「お正月なんですから。ね?今日くらいは仲良くしましょうよ。って言っても、お二人のやり取りはけんかじゃなくて、仲良しのじゃれ合いみたいですけどね」
どこがだよ?!と二人同時に振り返られ、芽衣はおかしそうに笑い声を上げた。
11時に目が覚めた芽衣がシャワーを浴びてからリビングに行くと、公平がコーヒーを淹れていた。
「あはは!そうだね。おそよう、芽衣ちゃん。よく眠れた?」
「はい。高瀬さんは?相変わらず早かったんですか?」
「いや、俺も今下りてきたとこ。はい、コーヒーどうぞ。聖が起きてきたらおせち料理食べよう」
「ありがとうございます」
二人向かい合って座り、コーヒーを味わった。
「あー、明後日の朝にはここを出るんですよね。寂しいなあ」
「それだけ楽しかったってこと?」
「はい!それはもう。夢のような時間でした。あと2日、みっちりがんばります」
「お正月くらい、休んだらいいのに」
「休む方が辛いですから。でもなあ、結局ハバネラは掴めそうにないです。しょんぼり……」
うつむく芽衣に思わず公平は笑い出す。
「芽衣ちゃんって、時々心の声がもれてるよね」
「え?そうですか?」
「うん。感受性が豊かな証拠だね」
「そうでしょうか?色気は欠落してますけど」
「まあ、それはね。仕方ないよ」
「えー?!否定してくれないんですか?もう、しょぼぼん……」
あはは!と公平は更におかしそうに笑う。
すると聖があくびをしながら階段を下りてきた。
「ふわー、はよ」
「聖、あくびの延長でおはよう言うな。まったく……。新年早々、相変わらずの通常版だな」
「ん。そんな簡単に生まれ変われない」
「そうだけど。ほら、コーヒー飲んで目を覚ませ」
聖は半分目を閉じたままコーヒーに口をつける。
「やれやれ、一年の計は元旦にありっていうのに。聖は今年もそのまんまなんだろうな。さてと、おせちの準備するか」
公平が立ち上がると、芽衣も「お手伝いします」とキッチンに立った。
「うわー!高瀬さん、和食もこんなにたくさん作れるんですね。さすがです。どれもこれも美味しそう」
幸先いいなあと、芽衣は笑顔でテーブルに料理を並べた。
「それでは、改めまして。新年明けましておめでとうございます」
「おめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
三人で乾杯して、温かいお雑煮や美しく盛り付けられた品々に手を伸ばす。
「んー、味付けも優しくて美味しいです。身体にも良さそう。なんて贅沢なお正月」
「芽衣ちゃん、大げさだな」
「そんなことないですよ。だって高瀬さんのお料理、心が込もってますもん。見た目も綺麗だし、味わいも深くて」
「そう言ってもらえると、作った甲斐があったよ。誰かさんはいつもパクパク食べてばかりですがね」
公平が嫌味っぽく視線を送ると、聖は、ん?と顔を上げた。
「公平の料理がうまいのなんて、今に始まったことじゃない。美味しいに決まってる」
「だからって将来の奥さんにはちゃんと言うんだぞ?君の手料理はいつも美味しいよ、ありがとう、マイスイートハートって」
ブホッと聖はお雑煮を吹き出しそうになる。
「どのツラ下げてそんなこと言うんだよ?」
「そのツラ」
「言えるか!蕁麻疹が出るわ」
「あーあ、こりゃスピード離婚だな」
「結婚しなきゃいいんだろ?俺は公平の料理が食べられればそれでいい」
「俺が嫌なんだよ!」
まあまあと、芽衣は二人の間に手を差し出した。
「お正月なんですから。ね?今日くらいは仲良くしましょうよ。って言っても、お二人のやり取りはけんかじゃなくて、仲良しのじゃれ合いみたいですけどね」
どこがだよ?!と二人同時に振り返られ、芽衣はおかしそうに笑い声を上げた。