異世界の極上男は、ありのままの私が好きらしい。
「マレリア・ハイント男爵令嬢、至急、皇室にお越しください」
突然訪れた皇宮からの使いに連れられて、私は初めてレタニアン皇太子を訪れた。
豪華絢爛とした皇宮に自分が用がある人間だとは思ってもみなかった。
「レタニアン・モンテアール皇太子殿下に、マレリア・ハイントがお目にかかります」
黒髪に覗くサファイアのような透明度のある瞳に、一瞬心臓が止まりそうになる。
何もかも見透かしてそうな目で射抜かれそうになっても、彼は17歳だ。
前世の私は34歳で彼の倍は生きている。
(堂々として良いわよね⋯⋯)
「美しいエメラルドの瞳だな。そして、その淡い緑色のドレスも珍しい色だが似合っている」
「このようなクリームのような緑が私には似合うのです。水色、ピンク色、少し幼いと感じるようなパステルカラーが私の可愛らしさを限界まで引き出しています」
私の言葉になぜかレタニアン皇太子は吹き出した。
「な、何ですか? レタニアン皇太子殿下⋯⋯今の渋い色は殿下には似合いませんよ。自分に似合うものも分からないあなたがなぜ私を笑うのですか?」
私は前世でも散々馬鹿にされた自分のこだわりを出してしまった。
好きな色を着れば良い、好きなようにメイクをすれば良いと人は言うけれど似合う色とコーディネートがある。
私も実はハッキリとしたビビットカラーが好きだ。
しかし、色白ブルベで夏カラーが似合う私が着ると浮いてしまう。
そのような色が似合うのは目の前にいるレタニアン皇太子だ。
「じゃあ、俺にはどのような色が似合う?」
「端的にいうとハッキリした色が似合います」
「例えば、お前みたいなか? マレリア⋯⋯」
私を抱き寄せてくるレタリニアン皇太子は私を揶揄っている。
(揶揄われるのは苦手だし、馬鹿にされているようで嫌だ!)
「おやめください! 私は婚約者もいる身です」
マレリアには老伯爵の婚約者がいる。
妻と死別したムランガ伯爵だ。
彼は私を手にいれる代わりに実家を支援してくれるらしい。
「ムランガ伯爵か⋯⋯彼を愛しているとか冗談はよしてくれよ」
「そのような無駄な冗談は言いません」
「君の好きなことをさせてやる。好きな事を好きなように⋯⋯1つだけ条件がある」
「条件とは、何ですか?」
「俺を愛することだ」
一瞬、心臓が止まったかと勘違いしそうになった。
私にも婚約者がいるが、彼にもミランダ嬢という婚約者がいる。
でも、自分の本心に向き合えば初めて興味を持ったのがレタニアン皇太子だ。
美しい声、美しい姿⋯⋯私は彼のことを弄りたくて堪らない。
そして、自分が求めれば、当然私を手に入れられると思っている自信家なところにも惹かれる。
(日本にいた時は、草食系ばかりだったわ⋯⋯)
園田守はロールキャベツ男子だった。
私はこういった古き良き時代から来たような、レタニアン皇太子のような肉食系を求めていた。
「マレリア⋯⋯俺と結婚して欲しい。もう、君しか考えられないのだ」
目の前の男には婚約者がいる。
略奪愛なんて、私は軽蔑していた。
でも、今、私のハートが彼に略奪されてしまったのだ。
「あの⋯⋯私は皇室に入る訳にはいきません。美の伝道師としての仕事を⋯⋯」
レタニアン皇太子は私に最後まで言葉を続かせてくれなかった。
艶やかな黒髪から覗く青い瞳が私を逃さない。
「君の美しさを最大限に引き出せるのは俺だけだ」
確かにそうかもしれない。
彼の瞳に映る私は頬を染め、瞳孔が開き今まで見たことのないくらい魅力的だ。
私は人の美しさを引き出すことばかりに気を取られていたようだ。
平民と変わらないような貧乏貴族の私を妻にするなど、周囲から反対があるだろう。
お互い婚約者がいる身でもある。
でも、私自身も彼を唯一無二の存在だと思っている。
私は恋愛などできない女だと思っていた。
私の心を揺り動かしたのは前世を含めてレタニアン皇太子だけだ。
私は周りの目があると分かっていても、彼の口づけを受け入れ首に手を回した。
突然訪れた皇宮からの使いに連れられて、私は初めてレタニアン皇太子を訪れた。
豪華絢爛とした皇宮に自分が用がある人間だとは思ってもみなかった。
「レタニアン・モンテアール皇太子殿下に、マレリア・ハイントがお目にかかります」
黒髪に覗くサファイアのような透明度のある瞳に、一瞬心臓が止まりそうになる。
何もかも見透かしてそうな目で射抜かれそうになっても、彼は17歳だ。
前世の私は34歳で彼の倍は生きている。
(堂々として良いわよね⋯⋯)
「美しいエメラルドの瞳だな。そして、その淡い緑色のドレスも珍しい色だが似合っている」
「このようなクリームのような緑が私には似合うのです。水色、ピンク色、少し幼いと感じるようなパステルカラーが私の可愛らしさを限界まで引き出しています」
私の言葉になぜかレタニアン皇太子は吹き出した。
「な、何ですか? レタニアン皇太子殿下⋯⋯今の渋い色は殿下には似合いませんよ。自分に似合うものも分からないあなたがなぜ私を笑うのですか?」
私は前世でも散々馬鹿にされた自分のこだわりを出してしまった。
好きな色を着れば良い、好きなようにメイクをすれば良いと人は言うけれど似合う色とコーディネートがある。
私も実はハッキリとしたビビットカラーが好きだ。
しかし、色白ブルベで夏カラーが似合う私が着ると浮いてしまう。
そのような色が似合うのは目の前にいるレタニアン皇太子だ。
「じゃあ、俺にはどのような色が似合う?」
「端的にいうとハッキリした色が似合います」
「例えば、お前みたいなか? マレリア⋯⋯」
私を抱き寄せてくるレタリニアン皇太子は私を揶揄っている。
(揶揄われるのは苦手だし、馬鹿にされているようで嫌だ!)
「おやめください! 私は婚約者もいる身です」
マレリアには老伯爵の婚約者がいる。
妻と死別したムランガ伯爵だ。
彼は私を手にいれる代わりに実家を支援してくれるらしい。
「ムランガ伯爵か⋯⋯彼を愛しているとか冗談はよしてくれよ」
「そのような無駄な冗談は言いません」
「君の好きなことをさせてやる。好きな事を好きなように⋯⋯1つだけ条件がある」
「条件とは、何ですか?」
「俺を愛することだ」
一瞬、心臓が止まったかと勘違いしそうになった。
私にも婚約者がいるが、彼にもミランダ嬢という婚約者がいる。
でも、自分の本心に向き合えば初めて興味を持ったのがレタニアン皇太子だ。
美しい声、美しい姿⋯⋯私は彼のことを弄りたくて堪らない。
そして、自分が求めれば、当然私を手に入れられると思っている自信家なところにも惹かれる。
(日本にいた時は、草食系ばかりだったわ⋯⋯)
園田守はロールキャベツ男子だった。
私はこういった古き良き時代から来たような、レタニアン皇太子のような肉食系を求めていた。
「マレリア⋯⋯俺と結婚して欲しい。もう、君しか考えられないのだ」
目の前の男には婚約者がいる。
略奪愛なんて、私は軽蔑していた。
でも、今、私のハートが彼に略奪されてしまったのだ。
「あの⋯⋯私は皇室に入る訳にはいきません。美の伝道師としての仕事を⋯⋯」
レタニアン皇太子は私に最後まで言葉を続かせてくれなかった。
艶やかな黒髪から覗く青い瞳が私を逃さない。
「君の美しさを最大限に引き出せるのは俺だけだ」
確かにそうかもしれない。
彼の瞳に映る私は頬を染め、瞳孔が開き今まで見たことのないくらい魅力的だ。
私は人の美しさを引き出すことばかりに気を取られていたようだ。
平民と変わらないような貧乏貴族の私を妻にするなど、周囲から反対があるだろう。
お互い婚約者がいる身でもある。
でも、私自身も彼を唯一無二の存在だと思っている。
私は恋愛などできない女だと思っていた。
私の心を揺り動かしたのは前世を含めてレタニアン皇太子だけだ。
私は周りの目があると分かっていても、彼の口づけを受け入れ首に手を回した。