恋より仕事と決めたのに、エリートなお隣さんが心の壁を越えてくる
「へ、変でしょうか……?」
「ううん、かわいい」
昴矢さんはニコニコしながら、頬にキスをする。
「それは答えになってませんけど……」
「かわいいから、気にしなくていいってこと。もっと見せて。俺だけに本当の志乃を」
「あ、そんな急に、ん――っ」
昴矢さんの指が中でたくさん動いて、私の理性をさらっていく。
さっきまで緊張していた自分が嘘みたいに、昴矢さんのすることに素直に反応して、喘いで、そのたびに彼を欲しがったお腹の奥が疼く。
心も体も、私を構成する細胞の全部が、昴矢さんが欲しいと言っていた。
彼もまた同じように私を求める気持ちが昂ったらしく、腰に巻いていたタオルを乱雑に剥ぐ。
いつでも優しい彼には不似合いなほどに凶暴な大きさをしたそれを目にして、私の喉がごくりと鳴った。
昴矢さんが汗ばんだ前髪をかき上げる。
「……志乃。もう挿れたい」
「はい。来てください、昴矢さん」
ベッドサイドのテーブルには避妊具が用意されていて、冷めやらぬ興奮で呼吸を荒らげたままの彼が、素早く装着する。
昴矢さんが再び私に覆いかぶさり、体を繋げる直前。私の頬を両手で包み込んだ彼が、こつんと額を合わせ、愛おしげに目を細めた。