恋する花束を君に
「おっ!なごみじゃん!」
その声に、ゲッと嫌な予感がするわたし。
すると、予想は的中。
わたしの肩に手を乗せ、顔を覗き込んで来たのは航太だった。
わたしは自分の肩に乗せられた航太の手を無言で払うと、航太との距離感が近いことを不快に感じ少し椅子をズラした。
「隣座っていい?」
そう言いながら、由美子とは反対側のわたしの隣に座る航太。
座っていいって言ってないのに、もう座ってるじゃん。
「席は、ここじゃなくてもたくさん空いてるよ〜。ほら、由美子の隣も空いてるし。」
「俺は、なごみの隣に座りたかったんだよ!」
航太はそう言うと、肘をついてわたしの顔を覗き込んできた。
顔近いんだよなぁ。
「なぁ、今日飲みに行かない?」
「えっ。昨日も行ったばかりでしょ?」
「俺は、毎日でも大歓迎だよ?特になごみと2人きりなら!」
「わたしは勘弁かなぁ〜。」
わたしが苦笑いを浮かべそう言うと、航太は「そんな照れんなって!」と再びわたしの肩に手を置く。
「今日はパス。」
わたしはそう言いながら、肩に乗る航太の手を払い除けた。
あー、こうゆう男、面倒くさい。