恋する花束を君に

「でも、明日の飲み会は全員出席らしいよ?」
「えー?」
「社長出席の飲み会だから、必ず全員出席で車通勤の人は交通機関で来いって、社内メールきてた。」

社内メールかぁ、まだ見てなかった。

すると、由美子が「ってことはさ、薗田さんも飲み会来るってことだよね?」と小声で言った。

「薗田?あぁ、あの新しく来た根暗野郎?」

航太が馬鹿にしたような言い方をしたので、わたしは「その言い方やめなよ。」と注意した。

「だって、本当のことじゃん。飲み会に来たこと一度もないし、いつも一人じゃん?」
「薗田さん、飲み会に来たらどんな感じなのかな?飲んだら変わるタイプかな?」

そう言い、ワクワクした様子の由美子。

「とりあえず、明日の飲み会、なごみの隣は俺な!」
「えー、やだー!」
「何でだよ!」

航太とそんな会話をしながら、わたしは薗田さんのことが気になっていた。

薗田さんと話してみたいなぁ。
飲み会の席なら、普段より話しやすいよね。

そう思いながら、わたしは席を立ち、食べ終わった社食のオボンを返却口に戻しに行った。

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