恋する花束を君に
この日の飲み会は、薗田さんのおかげで途中から平和に楽しむことが出来た。
あのあと、自分が座っていた場所に戻ると航太は居なくなっていて、絵里と由美子に「薗田さんと何話してきたの?!」と問い詰められた。
しかし、わたしは「助けてくれて、ありがとうございまーすってお礼言いに行っただけだよ?」と誤魔化したが、絵里は「それにしては話し長かったじゃん。」と納得していない顔をしていた。
わたしがこっちに戻って来る時、薗田さんは「三崎さんと話せて良かったです。」と言ってくれた。
心の中だけで喜ぶわたし。
わたしは喜びを隠しつつ、絵里の「さっき航太めちゃくちゃ不機嫌で大変だったんだよ?」という愚痴を聞き流し、もう氷が溶けてほぼ水になっているレモンサワーを飲み干したのだった。
そして、次の日の事だ。
わたしは朝から頭に血がのぼり、噴火しそうになった。
「商品の写真がまだ撮れてないって、どうゆうことなの?!締切明日なんだよ?!」
わたしは、「まぁまぁ、落ち着いて。」と笑って誤魔化す航太にキレた。
「課長が今日、二日酔いで休みでさ。写真は課長立ち会いじゃないと撮れないんだよ。」
「何でよ!課長が居なくたって撮れるでしょ?!」
「いや〜、そうもいかないんだよ。」
わたしが怒っている理由は、クリスマスの販促物用に使う商品の写真がまだ撮られておらず、わたしのところにデータが届いていないからだ。
わたしは季節商品やイベント事などの販促物を担当しており、写真データを貰って、それをデザインしポスターにするのが仕事。
商品部が動いてくれないと、わたしの仕事は進まないのだ。
しかも、締切は明日。
黙ってなんていられるわけがない。