恋は復讐の後で
高杉智也として生まれ変わった僕は大学を卒業すると日々退屈に過ごした。
資産家の家に生まれたので、働かなくても不労所得があり好きなことをして生きてけた。
暇な時間が増える程に、前世でのナタリアのことを考えた。
そして、僕は彼女を探す為に小説『愛の探究者』を自費出版で出した。
もしかしたら、僕がダニエルである記憶を持って日本に転生したように、ナタリアも同じ世界に転生しているかもしれないと思ったからだ。
彼女が同じ世界に生まれ変わっていたら、それはもう運命だ。
きっと、小説を読んで僕に連絡をくれると考えた。
小説の内容はナタリアという大罪人と娼婦の娘に生まれてしまった子が、ラリカという別人に生まれ変わりダニエル皇子と幸せに暮らす話だ。プライドが邪魔してナタリアへ伝えられなかった想いを小説の中に僕は託した。
前世での事実に基づいたその小説は全く売れなかったが、ある日、僕の小説を原案にして乙女ゲームを出したいと言う連絡が来た。
少しでも多くの人の目に触れた方がナタリアへ辿り着くと思い受けた話だったが、非常に後悔した。僕の小説は乙女ゲームでは、マルチエンディングにされてしまった。しかも、隠しルートにマテリオまで存在する。
ナタリアがラリカになったという設定は削除され、平民ラリカが皇宮を舞台に逆ハーレムを楽しむようなくだらないゲームにされてしまった。
タイトルは『聖女ラリカのドキドキ皇宮生活』だ。
僕は必死に抗議してタイトルを『トゥルーエンディング』にしてもらった。
他の男を選ぶ選択肢があっても彼女は僕を選んだはずだ。
その真実に気がついて欲しかった。
僕の小説は売れなかったが、乙女ゲーム『トゥルーエンディング』は売れに売れた。僕は毎日のようにナタリアからの連絡を待ったが、彼女は現れなかった。
僕は生涯独身でナタリアを想い続けながら死んだ。
そして、彼女に対する強い気持ちが通じたのか、僕は再びダニエル・ガレリーナとして回帰したようだ。
昔、ダニエルだった時の記憶が蘇り、すぐにリオナ嬢の書いていた魔法陣がなんだったかを調べた。
「時を戻す魔法陣⋯⋯」
あの時、一瞬だが見たのは間違いなく時を戻す魔法陣だった。
しかし時を戻すには生贄に聖女が必要だ。
おそらく、生贄になるべきナタリアが既に遺体であった事と、僕が魔法陣に侵入した事でタイムホールに混乱が生じた。
それにより、僕だけ1度、別の世界の人生を経験してから回帰したのだろう。
それにしても地味な顔して遺体を盗んで時を戻そうとしたり、リオナ嬢はイカレテいる。
魔術の中でも禁忌の魔術とされる「時を戻す魔術」。
術者は運命に贖った罪として、死んだ後も地獄の業火で焼かれ続けると言われている。
彼女が時を戻そうとした理由があるとすれば、オスカーを取り戻す為だろう。
僕はオスカーと共に危険でイカレタ女リオナ嬢も始末する事にした。
企みは上手くいったと思っていたが、リオナ嬢は生きていた。
(気味が悪い女だ⋯⋯今度こそ、始末する)
ロピアン侯爵にナタリアを養子にするよう促し、過去のように侯爵令嬢になった彼女と婚約しようとしたが抵抗された。
マテリオと愛の逃避行をしたことからも、ナタリアが前世の記憶を持ち僕から離れ今度こそマテリオと一緒になろうとしているのは明白だ。
僕の心を奪っておいて、本当に酷い女だ。
彼女と出会わなければ良かったと何度も思った。
彼女の嫌いなエステルを断罪し、帝国で最高の地位まで与えたのに彼女はふり向かなかった。
資産家の家に生まれたので、働かなくても不労所得があり好きなことをして生きてけた。
暇な時間が増える程に、前世でのナタリアのことを考えた。
そして、僕は彼女を探す為に小説『愛の探究者』を自費出版で出した。
もしかしたら、僕がダニエルである記憶を持って日本に転生したように、ナタリアも同じ世界に転生しているかもしれないと思ったからだ。
彼女が同じ世界に生まれ変わっていたら、それはもう運命だ。
きっと、小説を読んで僕に連絡をくれると考えた。
小説の内容はナタリアという大罪人と娼婦の娘に生まれてしまった子が、ラリカという別人に生まれ変わりダニエル皇子と幸せに暮らす話だ。プライドが邪魔してナタリアへ伝えられなかった想いを小説の中に僕は託した。
前世での事実に基づいたその小説は全く売れなかったが、ある日、僕の小説を原案にして乙女ゲームを出したいと言う連絡が来た。
少しでも多くの人の目に触れた方がナタリアへ辿り着くと思い受けた話だったが、非常に後悔した。僕の小説は乙女ゲームでは、マルチエンディングにされてしまった。しかも、隠しルートにマテリオまで存在する。
ナタリアがラリカになったという設定は削除され、平民ラリカが皇宮を舞台に逆ハーレムを楽しむようなくだらないゲームにされてしまった。
タイトルは『聖女ラリカのドキドキ皇宮生活』だ。
僕は必死に抗議してタイトルを『トゥルーエンディング』にしてもらった。
他の男を選ぶ選択肢があっても彼女は僕を選んだはずだ。
その真実に気がついて欲しかった。
僕の小説は売れなかったが、乙女ゲーム『トゥルーエンディング』は売れに売れた。僕は毎日のようにナタリアからの連絡を待ったが、彼女は現れなかった。
僕は生涯独身でナタリアを想い続けながら死んだ。
そして、彼女に対する強い気持ちが通じたのか、僕は再びダニエル・ガレリーナとして回帰したようだ。
昔、ダニエルだった時の記憶が蘇り、すぐにリオナ嬢の書いていた魔法陣がなんだったかを調べた。
「時を戻す魔法陣⋯⋯」
あの時、一瞬だが見たのは間違いなく時を戻す魔法陣だった。
しかし時を戻すには生贄に聖女が必要だ。
おそらく、生贄になるべきナタリアが既に遺体であった事と、僕が魔法陣に侵入した事でタイムホールに混乱が生じた。
それにより、僕だけ1度、別の世界の人生を経験してから回帰したのだろう。
それにしても地味な顔して遺体を盗んで時を戻そうとしたり、リオナ嬢はイカレテいる。
魔術の中でも禁忌の魔術とされる「時を戻す魔術」。
術者は運命に贖った罪として、死んだ後も地獄の業火で焼かれ続けると言われている。
彼女が時を戻そうとした理由があるとすれば、オスカーを取り戻す為だろう。
僕はオスカーと共に危険でイカレタ女リオナ嬢も始末する事にした。
企みは上手くいったと思っていたが、リオナ嬢は生きていた。
(気味が悪い女だ⋯⋯今度こそ、始末する)
ロピアン侯爵にナタリアを養子にするよう促し、過去のように侯爵令嬢になった彼女と婚約しようとしたが抵抗された。
マテリオと愛の逃避行をしたことからも、ナタリアが前世の記憶を持ち僕から離れ今度こそマテリオと一緒になろうとしているのは明白だ。
僕の心を奪っておいて、本当に酷い女だ。
彼女と出会わなければ良かったと何度も思った。
彼女の嫌いなエステルを断罪し、帝国で最高の地位まで与えたのに彼女はふり向かなかった。