翠くんは今日もつれない【完】
はじめての、
「(……翠くん、寝てる)」
お風呂から上がって濡れたままの髪をタオルで拭きながら部屋に戻ると、ローテーブルの上に教科書とノートを広げたまま、突っ伏して眠る翠くんを発見した。
長く伸びる睫毛に縁取られた瞼を固く閉ざし、規則正しい寝息を奏でている。
「(眉間にきゅって皺寄せてるの可愛い)」
普段は大人びて見える年下彼氏のあどけない寝顔が愛おしくて、瞼に掛かる少し長めの前髪を払いのけると、顕になった白い額に、ちゅ、と口付けを落とした。
「おやすみのキス、、なんちゃってー。…いや、恥ずかしいわ、」
自分で言っといて急に羞恥心が湧く。今のはなかったことにしよう、と翠くんから顔を離そうとした。
と、そのとき。
ぱちぱち、と瞼が何度か瞬いてヘーゼル色の瞳が現れる。そして、ゆらり、と瞳が動くと静かにあたしを捉えた。
「あ。翠くん、起き───」
途端に、大きな手があたしの後頭部に回って、ぐい、と翠くんの方へと引き寄せられると麗しいお顔がドアップになる。
ちゅ、と鳴り響くリップ音。
お互いの唇が重なって、何度も何度も口付けが降ってきた。
そして、顔が離される瞬間、ぺろり、と下唇を舐め取られる。
「っ、」
「おやすみのキスなら口にしてよ、羽依さん」
口角を綺麗に上げて、不敵に笑う翠くん。
かあ、と身体中に熱が巡る。
「~~~っ、えろガキめっ、」
「(……翠くん、寝てる)」
お風呂から上がって濡れたままの髪をタオルで拭きながら部屋に戻ると、ローテーブルの上に教科書とノートを広げたまま、突っ伏して眠る翠くんを発見した。
長く伸びる睫毛に縁取られた瞼を固く閉ざし、規則正しい寝息を奏でている。
「(眉間にきゅって皺寄せてるの可愛い)」
普段は大人びて見える年下彼氏のあどけない寝顔が愛おしくて、瞼に掛かる少し長めの前髪を払いのけると、顕になった白い額に、ちゅ、と口付けを落とした。
「おやすみのキス、、なんちゃってー。…いや、恥ずかしいわ、」
自分で言っといて急に羞恥心が湧く。今のはなかったことにしよう、と翠くんから顔を離そうとした。
と、そのとき。
ぱちぱち、と瞼が何度か瞬いてヘーゼル色の瞳が現れる。そして、ゆらり、と瞳が動くと静かにあたしを捉えた。
「あ。翠くん、起き───」
途端に、大きな手があたしの後頭部に回って、ぐい、と翠くんの方へと引き寄せられると麗しいお顔がドアップになる。
ちゅ、と鳴り響くリップ音。
お互いの唇が重なって、何度も何度も口付けが降ってきた。
そして、顔が離される瞬間、ぺろり、と下唇を舐め取られる。
「っ、」
「おやすみのキスなら口にしてよ、羽依さん」
口角を綺麗に上げて、不敵に笑う翠くん。
かあ、と身体中に熱が巡る。
「~~~っ、えろガキめっ、」