翠くんは今日もつれない【完】
余りにも主張が激しすぎるその感触に気恥しくなって俯く。

そんなあたしの様子に翠くんは「何、恥ずかしがってんの」なんて悪戯っぽく笑って、垂れ落ちるあたしの髪を耳に掛けた。

そして、覗き込むようにこちらを見上げて、鼻先を擦り寄せると、そのまま唇を重ねる。



「羽依さんを抱きたい」

「え、」

「だめ?」

「~~~っ、、」



可愛い可愛い翠くんにそんな風に言われたら「だめ」なんて言えるわけなかった。



「っ、わ、かった。いいよ、」

「いいの」

「う、ん。翠くんの、好きにして───んっ、」



いいよ、と言い終える前に唇を塞がれる。

何度か啄まれるように口付けを落とされた後、僅かに開いた口の隙間から畝る舌が侵入してきて、びく、と肩を揺らした。

思わず舌を引っ込めようとするけど、すぐさま翠くんの舌に捕まえられて、口内を蹂躙されていく。
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