翠くんは今日もつれない【完】
黛さんはあたしが16歳の時に付き合っていた10歳上の大人の男の人で、、既婚者だった。そう、既婚者だったのだ。
あたしと付き合う、ずーーーっと前から、、。
ひとつ、弁明させて欲しいのが、あたしは黛さんが既婚者だったなんて全く知らなかったということ。知ってたら絶対に付き合ったりしてない。
あたしは知らず知らずのうちに不倫相手になっていたのだ。それを知るきっかけになったのが、突如、学校に現れた黛さんの奥さんだった。
あの日のことは今でも鮮烈に覚えている。
『───このっ、泥棒猫!』
夫の不倫を知って学校に乗り込んできた奥さんの怒声と、思いっきり殴られたせいで腫れ上がった右頬、好きな人に裏切られていた絶望感、、あたしを白い目で見るクラスメイト達。
それは、当時16歳のあたしにとってはトラウマ級の出来事で、、。
ただ一人だけ空気を読まずに『ねぇ、羽依!泥棒猫だって!この台詞、本当に言う人って存在するのね!』と腹を抱えて笑う碧心があの場にいてくれたのが唯一の救いだったな。
当然ながら、その日以来、あたしは黛さんと会ってないし、連絡先も既に削除済だ。
もう二度と、会うことはないだろうと思っていたのに、、まさか、こんな形で再会するはめになるなんて。
あたしってば、男運がないだけじゃなく、神様からも見捨てられてるのかもしれない。
あたしと付き合う、ずーーーっと前から、、。
ひとつ、弁明させて欲しいのが、あたしは黛さんが既婚者だったなんて全く知らなかったということ。知ってたら絶対に付き合ったりしてない。
あたしは知らず知らずのうちに不倫相手になっていたのだ。それを知るきっかけになったのが、突如、学校に現れた黛さんの奥さんだった。
あの日のことは今でも鮮烈に覚えている。
『───このっ、泥棒猫!』
夫の不倫を知って学校に乗り込んできた奥さんの怒声と、思いっきり殴られたせいで腫れ上がった右頬、好きな人に裏切られていた絶望感、、あたしを白い目で見るクラスメイト達。
それは、当時16歳のあたしにとってはトラウマ級の出来事で、、。
ただ一人だけ空気を読まずに『ねぇ、羽依!泥棒猫だって!この台詞、本当に言う人って存在するのね!』と腹を抱えて笑う碧心があの場にいてくれたのが唯一の救いだったな。
当然ながら、その日以来、あたしは黛さんと会ってないし、連絡先も既に削除済だ。
もう二度と、会うことはないだろうと思っていたのに、、まさか、こんな形で再会するはめになるなんて。
あたしってば、男運がないだけじゃなく、神様からも見捨てられてるのかもしれない。