翠くんは今日もつれない【完】
「まあ、今俺の話はいいわけよ」

「確かにそうだね。美緑の話なんか心底どうでもよかったわ。」

「碧心りんって俺に対して当たり強くね?」



いや。だって、事実だし。本当にどうでもよかったんだもん。それに今は美緑じゃなくて、翠の話をしていたわけで。

あんたがさっきの話をぶち壊したんだから責任持ってどうにかしなさいよ、とギロリと睨んで視線で伝える。美緑は私の意を汲みとったのか汲みとっていないのか『俺に任せて』と口パクにウインクを添えるという、なんともふざけた返しをしてきた。


本当にこいつに任せていいのだろうか、、私は吉野美緑という双子の兄をイマイチ信用できていない。


美緑に疑いの眼差しを向けていると「ねぇ、俺もう戻っていい?」と私達のやり取りを黙って見ていた翠が気だるそうに聞いてきた。

もちろん駄目に決まっている。だって、この話の主役は翠なのだから。
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