翠くんは今日もつれない【完】
一段と低くなった声と共に翠が美緑の胸倉を掴んで、美緑の身体を壁に押し付けるとガンッ!と鈍い音が響く。
翠らしくない乱暴すぎる行動に流石にやばいと思って「ちょっと、」と止めに入ろうとするけど、色素の薄い瞳が、ゆらりとこちらに視線を移して制止してくるから、出かけた言葉を飲み込んで傍観者に徹することにした。
大人しくなった私の姿を確認すると美緑はまた翠の方へと視線を移してニヒルに笑う。
「手ぇ出すなって、なんで翠に止められないといけないわけ?」
お前には関係ないでしょ?と神経を逆撫でするようにわざとらしく付け足された一言に「は?」と翠の表情が一層険しくなる。
「……確かに俺には関係ないけど。兄さんは、、女にだらしない人だから駄目。絶対駄目。どうせ飽きたらすぐ捨てるくせに。」
翠のやつ、内心相当キレてるくせに妙に冷静ぶって、つらつらと理由を並べ始める。確かに納得する理由ではあるけど、私が聞きたいのはそんなもっともらしい建前じゃない。翠の本音だ。
翠らしくない乱暴すぎる行動に流石にやばいと思って「ちょっと、」と止めに入ろうとするけど、色素の薄い瞳が、ゆらりとこちらに視線を移して制止してくるから、出かけた言葉を飲み込んで傍観者に徹することにした。
大人しくなった私の姿を確認すると美緑はまた翠の方へと視線を移してニヒルに笑う。
「手ぇ出すなって、なんで翠に止められないといけないわけ?」
お前には関係ないでしょ?と神経を逆撫でするようにわざとらしく付け足された一言に「は?」と翠の表情が一層険しくなる。
「……確かに俺には関係ないけど。兄さんは、、女にだらしない人だから駄目。絶対駄目。どうせ飽きたらすぐ捨てるくせに。」
翠のやつ、内心相当キレてるくせに妙に冷静ぶって、つらつらと理由を並べ始める。確かに納得する理由ではあるけど、私が聞きたいのはそんなもっともらしい建前じゃない。翠の本音だ。