翠くんは今日もつれない【完】
美緑も全く納得してないようで「ふぅん」と興味無さそうに呟いて「じゃあさ、俺が真面目で誠実な男だったら、翠はいいっていうの。」と首を傾げた。
「違うじゃん。羽依ちゃんのことが好きだから嫌なんでしょ」
核心をつく言葉に翠は美緑の胸倉を掴んでいた手をそっと離すと静かに目を伏せる。そして、少しの沈黙の後、観念したように、はあっと深いため息を零した。
「……そうだけど、何」
と、認める時ですらうちの弟は全然素直じゃなくて。美緑と顔を見合わせて、ニヤリと笑うと「全くすーくんは本当に素直じゃないよねぇ」「ま、そこも可愛いんだけどな」と二人して翠の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
「マジでうぜぇ。」と鬱陶しそうに呟く翠を他所に兄と姉による可愛がりは暫くの間続いた。
「違うじゃん。羽依ちゃんのことが好きだから嫌なんでしょ」
核心をつく言葉に翠は美緑の胸倉を掴んでいた手をそっと離すと静かに目を伏せる。そして、少しの沈黙の後、観念したように、はあっと深いため息を零した。
「……そうだけど、何」
と、認める時ですらうちの弟は全然素直じゃなくて。美緑と顔を見合わせて、ニヤリと笑うと「全くすーくんは本当に素直じゃないよねぇ」「ま、そこも可愛いんだけどな」と二人して翠の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
「マジでうぜぇ。」と鬱陶しそうに呟く翠を他所に兄と姉による可愛がりは暫くの間続いた。