翠くんは今日もつれない【完】

「……っ、あ、諦めてよ、」



綺麗な瞳があまりにも真っ直ぐに見つめてくるから情けないほどタジタジになるあたし。そんなあたしの姿に翠くんは、、



「やだね。俺、あんたのことめちゃくちゃ好きだから。絶対に諦めてあげない」



と、意地悪く笑う。


なんでよ、諦めなよ。

あたしのことなんかさっさと諦めて、もっと翠くんに相応しい素敵ないい子を好きになりなよ。

あたしのこと好きでもいいことないよ。


なんて、、言わなきゃいけないことはたくさんあるはずなのに、あたしの口から出てきたのは「あ、あたしの、どこがそんなに好きなの、」翠くんを試すような言葉。


あたしの質問に翠くんは、ふっと瞳を細めて口を開く。



「笑顔」

「えがお…？」

「あんたの笑った顔が凄く好き。初めて会った時からずっと。今思えば、俺はあんたに一目惚れしたんだろうな」