翠くんは今日もつれない【完】




「翠くん。見て見てっ、新しい制服。似合う?」



グレーのブレザーに袖を通した羽依さんがチェニック柄のスカートを翻しながら、くるり、と身体を回転させる。

成長することを考慮して少し大きめに作られた制服は、着ているというより、着られている感が強くて、なんだか可愛かった。



「うん。凄く似合ってる」

「えへへ、ありがとっ」



俺が褒めると羽依さんは嬉しそうに笑う。羽依さんが笑顔になってくれるのなら、なんだってしてあげたいと思ってる。


それくらい俺は、羽依さんの笑顔が好きだ。
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