翠くんは今日もつれない【完】
「───……あの、翠くん、、昨日は、」



翌日、あの人が恐る恐ると言った様子で、俺に声を掛けてきて。あの人の顔を見た瞬間、あの光景がフラッシュバックする。


気分が悪くなった。

イライラした。



「………今、急いでるから。後にして。」

「あ。う、うん…。ごめんね、翠くん、」



冷たく言い放つと、あの人は眉尻を下げて、悲しそうに微笑んだ。



「……、」



違う、違うんだ。あなたに、、羽依さんに、そんな顔をさせたかったわけじゃないんだ。


罪悪感が湧いた。

自分が、嫌になった。


だけど、子供の俺には、この苛立つ気持ちの収め方が分からなくて、あの人のことを避けたり、無視したり、傷つけることしかできなかった。
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