翠くんは今日もつれない【完】
「えっ、も、もしかして、、跡、付けた…?」
「うん」
頷くと羽依さんはぎょっとした顔をして、手で首元を覆い隠した。だけど、その手をすぐさま退けさせる。
隠されたのが何だか無性に腹が立った。
再び現れた赤い跡を目にしたら、不思議と独占欲が満たされた。そっと指の腹で跡をなぞると困惑している羽依さんに向けてゆっくりと微笑む。
「言ったでしょ。俺は綺麗でも、純粋でもないって」
あなたは知らないんだね。
俺が、どんな風にあなたを見てきたかを。
「……なんか、翠くん、、変わったよね」
「俺は何も変わってないよ。ただ、諦めようとするのを辞めただけ」
誰が隣にいても、あなたが幸せであればいいと、笑っていればいいと思っていた。そう思い込んで諦めようとしていた。
あなたにとって俺は『親友の弟』でしかないことを分かっていたし、あなたは俺に振り向かないって知っていたから。だけど、悔しいけど、兄さんや姉さんのおかげでそれは違うのだと気付かされた。
あなたを幸せにするのは、あなたが笑顔を向けるのは、他の誰でもくて、全部俺がいいって。
「───ねぇ、羽依さん。早く俺のこと好きになってね」
諦めるのは、我慢するのは、もう辞めた。
ずっと、ずっと、欲しくて堪らなかったあなたは必ず手にいれる。
たとえ、どんな手を使っても。
「うん」
頷くと羽依さんはぎょっとした顔をして、手で首元を覆い隠した。だけど、その手をすぐさま退けさせる。
隠されたのが何だか無性に腹が立った。
再び現れた赤い跡を目にしたら、不思議と独占欲が満たされた。そっと指の腹で跡をなぞると困惑している羽依さんに向けてゆっくりと微笑む。
「言ったでしょ。俺は綺麗でも、純粋でもないって」
あなたは知らないんだね。
俺が、どんな風にあなたを見てきたかを。
「……なんか、翠くん、、変わったよね」
「俺は何も変わってないよ。ただ、諦めようとするのを辞めただけ」
誰が隣にいても、あなたが幸せであればいいと、笑っていればいいと思っていた。そう思い込んで諦めようとしていた。
あなたにとって俺は『親友の弟』でしかないことを分かっていたし、あなたは俺に振り向かないって知っていたから。だけど、悔しいけど、兄さんや姉さんのおかげでそれは違うのだと気付かされた。
あなたを幸せにするのは、あなたが笑顔を向けるのは、他の誰でもくて、全部俺がいいって。
「───ねぇ、羽依さん。早く俺のこと好きになってね」
諦めるのは、我慢するのは、もう辞めた。
ずっと、ずっと、欲しくて堪らなかったあなたは必ず手にいれる。
たとえ、どんな手を使っても。