クズ男から愛の花束を君に
ゆっくりあたしから離れた天真。
その間もずっと、ねっとりとした視線を感じながらも
あたしは聞いた。


[ねぇ、どうしてあたしの部屋の場所わかったの?
 教えたことなかったよね?]


今日アパートで会ってからずっと気になっていた事を聞いた、そのとき部屋の温度が少し、下がったように思えた。


[ふっ、ああ、そりゃ気になるよな。教えたはずのない自宅を他の人間が知っていたら。
簡単なことだよ。天音と大学で別れた後に、大学内の人間に聞きまくったんだよ。
案外こんな原始的な方法でも見つけられるもんなんだな。]


(大学内の人に…?)
(確かに、大学からこのアパートは近いし、なんなら同じ大学の人もいる)


「ちょっと時間かかっちゃったけど、この時ばかりは、広い交友関係があって良かったって初めて思ったよ。」


(天真が?わざわざそんな事してまで探したの?)
(天真のそっくりさんとかじゃないよね?)


アパートでさっき会った時、汗ばんでいたのはそのせいなの?

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