クズ男から愛の花束を君に
リビングのドアを開けて、


「掃除してないけど、どうぞ」


っと、彼を部屋に入れた。

部屋を見た天真は、一言、

「…誰か来てたのか?」


(あ、美香たちの飲んだお茶、そのままだった)

「あ、うん。美香と明良くんが心配して様子見に来てくれたの。今帰ってとこだったんだよ」

「…明良くん…?」

「美香の幼馴染だよ。覚えてるでしょ?」

「あいつをこの部屋に入れたのか」

「え?入れたよ。友達だし、心配してわざわざ来てくれたんだから」

「…俺以外の男を部屋に入れんじゃねぇよ」

「何言ってんの?美香の幼馴染だよ?」

「関係ねぇ。二度と入れるな」

「なんで?天真に関係なくない?」

そう言って天真を見上げると、強気な発言に反して、瞳はうるうるして口をつぐんでいる。

(なんなのよ…)
< 32 / 90 >

この作品をシェア

pagetop