クズ男から愛の花束を君に
なんて思いながらもしっかり熟睡したあたし。
七時すぎに天真に起こされた。
声掛けても肩を揺すっても、なかなか起きなかったらしいあたし。恥ずかしすぎる。

「もう少しで起きなかったら、唇にキスでも出来たのにな」
なんて笑いながら言う天真に、頬を染めながら枕を投げつけた。


昨日入れなかったからシャワーをしないとと思っていると、天真が「俺もシャワーしたい」と、言い出したのでまずあたしが先に入る事にした。
色々迷惑?かけたような気もするし、シャワー貸したくないとか言えないよね。

急いでシャワーをして出ると、ローテーブルには、サラダとフワフワなオムレツ、野菜スープが並んでいた。見るからに手作りなそれに、目を見開くあたし。

「天真、これどうしたの?」

「冷蔵庫の中勝手に漁って作った。良かったか?」

「手作り?ありがとうー!料理出来たんだね?」

「弟と男暮らしだし、これくらいなら出来る。毎回出前やインスタントも味気無いしな」

「これくらいならって、凄いよ!作ってくれてありがとう!」

「こんなんでよけりゃ、俺と付き合えば毎日作るぜ?」

「…それは、遠慮しとく」

「つれないな」

そこで気付く。一人分のご飯しかテーブルに用意されていない。



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