クズ男から愛の花束を君に

「天真の分は?」

「俺は朝食べねぇから」

「…わざわざあたしの分だけ作ってくれたの?」

「待ってる間、暇だったし」

「…ありがとう。昨日もベッドまで運んでくれたし、心配して部屋まで来てくれて」

(一度別れてから分かった、天真の優しさが心地良い。)

「だから、大したことしてねぇって。それより冷める前に食っとけ。俺はシャワー借りるな?」

「あ、うん!脱衣場にタオルとお兄ちゃんのだけど新品の下着置いてあるから!サイズ的に多分大丈夫だと思うから、良かったら使って?」

「さんきゅ。」


そうして、あたしの頭を軽く撫でて脱衣場に向かった天真の後ろ姿を見送り、有り難く朝食をいただく事にした。
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