クズ男から愛の花束を君に
「まあ、せいぜい頑張ってみなさいよ。天音を傷付けないならね。」

美香はもう用は無いとでも言うように告げた。

麗は黙ったままだった。


そして、着信を告げた美香のスマホ。

「は~い、どうした?」
「うん、いるよ?変わるからちょい待ち、」
と言いながらスマホをあたしに手渡してくる。

「…えっ?」

「明良から、何か昨日電話繋がらなかったから~って、天音の事、気になってるみたい」

(そうだっ!昨日着信来てたじゃん!)

「ありがとっ」

スマホを受け取り耳に当てる。何故か天真も耳を寄せてきた。でも気にしないでスマホに集中する。

「もしもし、明良くん?電話気付かなくて、その前も急に切っちゃってごめんね?せっかくかけてくれたのに。」

『大丈夫だよ?急に切れたから後になって心配になっただけだから。逆にしつこくてごめん。何もなかったなら良かった』

「しつこいだなんて、そんな事ないよ。心配してくれてありがと」

『気にしないで。昼時にごめんね?』

「うんん。あ、じゃ美香に代わるね?」

『いや、美香とはもう話し終わったからいいよ。残りの授業、頑張ってね?俺も頑張る』

「あ、そうなの?ありがとう。明良くんも頑張ってね?」

『天音ちゃんにそう言って貰えるならいくらでも頑張れそうだよ。ありがとう、じゃあ、ばいばい。』

「ふふっ、ばいばい。」

ブツッと切れて、真っ黒になったスマホを美香に返した。
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