クズ男から愛の花束を君に
「天音、ごめん。変な奴のせいで気分悪いよな?」

「天真ってやっぱりクズだったんだね」

冷めた表情で天真を見るあたし。
美香もゴミを見るような目をしている。

「あんたは女の敵ね、天音は明良くらいの純粋な奴のほうがいいんじゃない?」

あ、そうだった!と美香は続ける。

「天音、剣道の大会のこと、聞いた?行く?応援」

「うん、予定なかったしせっかく誘ってくれたから見に行くつもり。美香もだよね?」

「ええ。あいつの大学、賢い御曹司もたくさんいるし、良い出会いあるかもしれないしね〜♡良い男いたら紹介してもらおっ」

「美香」

やっぱり美香は恋に生きる女だ。

その時、ギュッと絡まる指。
見ると天真がまたしても恋人繋ぎをしてきた。

「天音も行くのか?」

そうして指先から力を徐々に強めてきた。
捨て犬のような表情をした天真が尋ねてくる。

(う、可愛い。あたしこの表情に弱いのよね)

あたしが答える前に、

「行くに決まってんでしょ?天音にも新しい出会いは必要なんだから。あんたが少しは厚生したのかもしれないけど、少なくとも明良はあんたより良い男よ」

美香が言い放つ。

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