クズ男から愛の花束を君に
イケメンは好きだ。でももう天真で理解したから、見てるだけで十分。あたしは、あたしの事を一番に大切にしてくれる、浮気しない彼氏しかいらない。

「天真、あたし達帰るね?」

「待って、あま…」

『天真〜!今日空いてる?あたしと遊ぼっ♡』

小柄で可愛らしい女の子が後ろから天真の腕に抱き着きながら、上目遣いで話しかけている。

「だれ、おまえ?」

『ひっど〜い!この前一緒にホテル行ったじゃん』

「うるせぇな、離れてくんない?」

頬を膨らませている女の子と言い合いを始めた天真を見て急激に心が冷めていくのを感じる。

(やっぱ、天真はクズだわ)

「ばいばい、天真」

あたしは美香と明良くんと一緒にその場を離れた。

「待って、天音!」

天真が呼んでこちらに来ようとしていたけど、また違う女の子が絡んで来ていた。
それを視界の端に見ながら大学を出た。

天真の縋るような表情が最後に見た顔だった。
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