クズ男から愛の花束を君に
初めて天音に会ったのは、大学に入学してまだ間もない頃、雨が次第に激しさを増し始めていた夕方、大学からの帰宅途中。
(傘、忘れちゃった)
今日の朝のニュースで夕方から天気が変わる、と
天気を知らせてくれていたのに、折りたたみ傘を
鞄に入れるのを忘れてしまった。
(仕方ない、走れば数分だし、駅まで走るか)
鞄を肩に掛け直し、走り出してすぐ、
『ねぇ、ちょっと待って!』
後ろから、声がした。
振り返ると、上品なブラウンの髪の女の子が小走りでこちらに駆け寄って来るのが見えた。
雨に打たれるあたしに、その女の子は
『傘ないの?あたしの傘、貸してあげるっ!』
「え、でも、そうしたらあなたが濡れてしまう」
女の子はどう見ても、傘を一つしか持っていない。
『あたしは大丈夫!ここから、家すぐ近くだから』
「…でも、悪いわ。」
『いいから、いいからっ!また大学で会った時に返して?』
こんな広い大学内で、簡単に出会えるわけないのに。
でも、女の子は、そう言いながら細い腕に握られた傘を、私に押し付けて、握らせる。
ふわり、香るローズの香り。
『…え、あの』
「じゃっ、ばいば〜い!」
眩しい程のキラキラした笑顔で駆けていく女の子。
名前も年もわからないその女の子が走り去って暫く、雨が次第に強まる中、動けずにいた。
あの子の傘を握り締める手に無意識に力が入っていたのには、私自身気付いていなかった。
私はその時から、叶わない恋をし続けている。
読んでくれる全ての方に感謝を。
次回、天音と天真出ます♡ちょっと?イチャつかせます♡
「ちょっと?遠慮しなくていいからもっとイチャつかせろよ?」
「いや、なかなか難しくて…」
「俺が書いてやるよ、どけっ!」
「いや、勘弁して下さい。助けて天音っ!」
(傘、忘れちゃった)
今日の朝のニュースで夕方から天気が変わる、と
天気を知らせてくれていたのに、折りたたみ傘を
鞄に入れるのを忘れてしまった。
(仕方ない、走れば数分だし、駅まで走るか)
鞄を肩に掛け直し、走り出してすぐ、
『ねぇ、ちょっと待って!』
後ろから、声がした。
振り返ると、上品なブラウンの髪の女の子が小走りでこちらに駆け寄って来るのが見えた。
雨に打たれるあたしに、その女の子は
『傘ないの?あたしの傘、貸してあげるっ!』
「え、でも、そうしたらあなたが濡れてしまう」
女の子はどう見ても、傘を一つしか持っていない。
『あたしは大丈夫!ここから、家すぐ近くだから』
「…でも、悪いわ。」
『いいから、いいからっ!また大学で会った時に返して?』
こんな広い大学内で、簡単に出会えるわけないのに。
でも、女の子は、そう言いながら細い腕に握られた傘を、私に押し付けて、握らせる。
ふわり、香るローズの香り。
『…え、あの』
「じゃっ、ばいば〜い!」
眩しい程のキラキラした笑顔で駆けていく女の子。
名前も年もわからないその女の子が走り去って暫く、雨が次第に強まる中、動けずにいた。
あの子の傘を握り締める手に無意識に力が入っていたのには、私自身気付いていなかった。
私はその時から、叶わない恋をし続けている。
読んでくれる全ての方に感謝を。
次回、天音と天真出ます♡ちょっと?イチャつかせます♡
「ちょっと?遠慮しなくていいからもっとイチャつかせろよ?」
「いや、なかなか難しくて…」
「俺が書いてやるよ、どけっ!」
「いや、勘弁して下さい。助けて天音っ!」