クズ男から愛の花束を君に
天音の嫉妬、天真の暴走
〈天音が嫉妬するお話〉


天真と付き合い出して、数日。
(復縁とも言う?)
晴れた土曜日の昼下がり。
今日は天真とデートだ。待ち合わせの噴水広場に向かうあたし。
今日の為に買ったボタニカルチックな花柄のワンピースを揺らして歩く。

(天真はもう着いてるって連絡来てたよね)

急ぎ足で向かうあたしに飛び込んできた景色に一瞬足を止めた。

噴水を背に立つ天真。その腰に抱き着き胸を押し付ける女の子。

《ねぇ〜いいじゃん?遊ぼうよ?あたしの部屋行こ?》

「しつけーな。早く離せよ。彼女来るって言ってんだろ」

《まだ来てないじゃん?
 ねぇ、彼女より満足させてあげるよ?》

「うるせぇ、彼女よりってか、彼女しか無理なんだよ」

そう言って女の子を無理矢理剥がした天真と目が合った。
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