クズ男から愛の花束を君に
「天音っ!!」

《え〜もう来ちゃったの〜?》

女の子に見向きもしないで、走り寄る天真。
あたしの両肩を掴み、顔を覗き込む。

「天音、勘違いするなよっ?俺が愛してるのは、天音だけだ」

「…天真」


『ねぇ〜?彼女さん?揉めてるなら天真くん貸してよ?』

女の子が天真の腕に触れる。

「…黙れよ、俺はもうそういうのは辞めたって言ってんだろが」

天真が女の子の腕を振り払う。そして、

「天音、もう行こう?」

あたしの肩を抱こうとしたけど、あたしはとっさに
天真を腕を振り払った。

「…天音…?」

「あ、ごめっ、…今日は帰るね?」

天真は目を見開き傷付いた表情を浮かべながらも
再びあたしに手を伸ばすのが見えたけど、あたしは
その場から逃げ出すように走り去った。

「、あまねっ!!!」 

天真の泣き出しそうな悲痛な叫び声が噴水広場に響いていた。
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