クズ男から愛の花束を君に
《かずまぁ〜♡今日遊べる？》　

大学の食堂裏のほとんど人気の無い自販機で無糖のコーヒーを買っていた俺に、
女の子が後ろから抱き着きながら見上げて聞いてきた。

（顔は美人、巨乳、スタイル抜群、少々メイクが濃いのと香水がキツイのがマイナスポイだな）
なんて、失礼にも他人を勝手に採点する俺。
女の子は好きだ。可愛いし、柔らかいし、いい匂いがするし、俺を気持ちよくしてくれるから。

でも、今日は特に何も用事なんてなかったのだが、何故だか女の子と、
そういう事をする気にはならなかったので、

「ごめ〜ん、今日は家の用事あんだよ〜、また次な？」
なんて言いながら優しく肩を抱き締め頭を撫でてやる。

《え〜ほんとに家の用事？》

メイクでケバい顔の頬を膨らませ疑ってくる女の子。

（断ってんだから諦めろよ～、この子はナシだな）
なんて心の中の言葉とは裏腹に優しく微笑みながら、
「ほんとだよ、君が一番可愛いんだからわかってくれるだろ？」

《じゃ、キスして？》

（めんどくさっ）

「わかったよ、こっち見て？」
顔ににっこり笑顔を張り付け、名前も覚えてない女の子の唇にキスを落とした。

< 87 / 90 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop