孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
6、変わりゆく気持ち
十二月も中旬 を過ぎ、来週にはクリスマスを迎える。
今日は早番出勤で、朝五時からの勤務。お昼過ぎに仕事を上がった。
それから、いつものスーパーで食材の買い物をしてから、十六時前には帰宅した。
遥さんは今日は国内線の担当で、朝から新千歳へ。向こうを十四時頃に発つ便で戻ってきて、私が帰宅した頃に羽田へ到着するというスケジュールだ。
十七時頃から夕食の支度を始めると、しばらくして遥さんが帰宅した。
「おかえりなさい」
「ただいま」
この家でこのやり取りをするのにももう大分慣れてきた。偽装結婚の生活も一カ月を迎える。
「食事の支度ありがとう」
「いえ。今日はお鍋にしようと思って。良さそうな鱈が売っていたので」
「いいな、鱈鍋」
遥さんはキッチンに入ってくると、持っていた紙袋からケーキの箱らしきものを取り出し、冷蔵庫を開ける。紙袋は北海道の有名店のものだ。
「向こうで時間があったから買ってきた。チーズケーキ、食べられるか?」
「チーズケーキ! 好きです!」
「じゃあ、あとで」
ケーキの中でもチーズケーキは大好物。北海道の有名店のチーズケーキが突然食べられるなんて嬉しすぎる。