クールなパイロットの偽り妻を演じます⁉~契約外の溺愛はどういうことですか?~
夕食が終わると、遥さんが先にバスルームを使っていいと譲ってくれた。
お言葉に甘えて先に入浴を済ませ、バスルームを譲る。
お互いが入浴を済ませたのは二十一時をちょうど回ったところだった。
「チーズケーキ、食べるだろ?」
「はい! 食べましょう」
遥さんが今日の北海道へのフライトで買ってきてくれた有名店のチーズケーキ。
冷蔵庫に向かい箱を取り出す。
「少しワインでも飲もうと思ったんだけど、真白も一緒にどうだ?」
「ワイン……!」
「もしかして飲めない?」
「いえ、飲めなくはないと思いますが……大人なお酒のイメージが」
普段、飲酒をするのはビールかカクテルなどばかり。ワインはお店でも飲まないし、もちろん家でも飲んだことがない。度数も高いから気軽に飲んだことがなかったのだ。
「大人なって、真白はもう立派な大人の女性だろ」
遥さんはふっと笑ってワイングラスをふたつカウンターに出す。
「じゃあ、ワイン初心者の真白のために飲みやすいのを開けよう」
「はい、お願いします」
ケーキ皿を用意して箱からケーキを取り出す。
生チーズムースのケーキは、濃厚な味わいが絶品だと聞いたことがある。
ふたり分のケーキを用意し、カウンターに出した。