クールなパイロットの偽り妻を演じます⁉~契約外の溺愛はどういうことですか?~
7、クリスマスイブの魔法
来客を知らせるインターフォンがリビングに鳴り響き、掃除機をかけていた手を止める。
応対に出ると、宅急便の配達だった。
特になにか注文した覚えがなく、遥さんの荷物だろうと受け取りに出る。やはり宛名は遥さん宛だった。
その直後、仕事に行っている遥さんからスマートフォンに着信が入った。
「遥さん?」
《真白、お疲れ様》
遥さんは朝から出勤で、今日は国内線担当、那覇空港に飛ぶと言っていた。時間的に、今はちょうどフライト先の沖縄にいる頃だ。
《荷物は届いたか》
「あ、はい。今少し前に来ましたよ」
『それ、真白のものなんだ』
予想外のことを告げられ「私の、ですか?」と訊き返す。
《ああ。今晩のために用意したんだ。ブラックのワンピースを持っていないと言っていただろ》
「あ……」