クールなパイロットの偽り妻を演じます⁉~契約外の溺愛はどういうことですか?~


「真白、お疲れ様!」


 お昼休憩の時間になり、お昼を取りに空港内を歩いていると、背後から声をかけられる。


「お疲れ様」」


 後を追ってきたのは同じ『JSAL』のグランドスタッフをしている飯田(いいだ)野々花(ののか)。同じ年に入社した同期だ。


「お昼、お弁当?」

「うん。コーヒーだけ買いに行こうかなって」

「あ、私も行く行く」


 野々花とは入社してから仕事を越えてプライベートでも仲良くしてもらっている。貴重な職場での友人だ。

 今でもよく覚えている。入社式の日に席がとなりで、野々花の方から声をかけてきてくれた。明るい話し方がすごく接しやすかった。

 入社式当日、少し前から風邪をひいて咳が残っていた私に、こっそりのど飴を渡してくれたのが始まりだった。

 そののど飴に救われて、式の最中は咳込むこともなく静かに式典に参加できた思い出がある。

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