王子は愛しき姫の目覚めを待つ
ふかふかのベッドとふわふわな枕。
肌に触れる毛布も上質で、ずっと眠っていられる気がする。
——いや、起きたくない。
恋をしていた同期の神田くんにフラれたも同然である私は、もう目を開けて現実に戻るのも嫌だ。
このまま、香りのいいお部屋と貴族みたいなベッドの上でずっとまどろんでいたい。
(……うん?)
私はふと我に返るように、ぱちりと目を開けた。
現実に戻ったつもりが、目の前に広がる現実が私の知っている現実ではない。
心地いい広々としたベッドも、カーテンの隙間から差す日の光に照らされた清潔感あふれる部屋も、私の知っている場所ではないのだ。
「おはようございます」
背後から声がして勢いよく振り返ると、隣で添い寝をするように寝そべる男子がひとり。
じっと私を見つめるそのイケメンがどこの誰なのかわからず、そもそも自分が今どこにいるのかもわからない。
(あぁ、夢か……)
私はそう思いイケメンに再び背を向けて、毛布をかぶり直す。
肌に触れる毛布も上質で、ずっと眠っていられる気がする。
——いや、起きたくない。
恋をしていた同期の神田くんにフラれたも同然である私は、もう目を開けて現実に戻るのも嫌だ。
このまま、香りのいいお部屋と貴族みたいなベッドの上でずっとまどろんでいたい。
(……うん?)
私はふと我に返るように、ぱちりと目を開けた。
現実に戻ったつもりが、目の前に広がる現実が私の知っている現実ではない。
心地いい広々としたベッドも、カーテンの隙間から差す日の光に照らされた清潔感あふれる部屋も、私の知っている場所ではないのだ。
「おはようございます」
背後から声がして勢いよく振り返ると、隣で添い寝をするように寝そべる男子がひとり。
じっと私を見つめるそのイケメンがどこの誰なのかわからず、そもそも自分が今どこにいるのかもわからない。
(あぁ、夢か……)
私はそう思いイケメンに再び背を向けて、毛布をかぶり直す。
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