冷たい彼と熱い私のルーティーン
───また引っ掛かってる・・・。
オフィスの入り口のドアのロックをカードを使って解除し、室内に入って数メートルのところにある出退勤時刻を記録する為の静脈認証の機械の前、今日もIT課の春野さんが無表情で悪戦苦闘していた。
何度も機械に手をかざしては認証できずにエラー音を鳴らし再度手をかざす彼は、まるでその動きを繰り返す為に作られたロボットのようだった。私の気配を感じた彼はいつものようにスッと機械から離れた。
私が機械に手をかざした瞬間『ピンポン♪』と音が鳴り、『営業企画部広報課 柊 羽雪 9:10 出勤』と表示された。出勤時刻打刻完了だ。
そのまま自席に向かおうとして、背後でまた春野さんが認証に挑戦しようとする気配を感じた。いつもならスルーするのに今日はなぜかUターンしてしまった。
オフィスの入り口のドアのロックをカードを使って解除し、室内に入って数メートルのところにある出退勤時刻を記録する為の静脈認証の機械の前、今日もIT課の春野さんが無表情で悪戦苦闘していた。
何度も機械に手をかざしては認証できずにエラー音を鳴らし再度手をかざす彼は、まるでその動きを繰り返す為に作られたロボットのようだった。私の気配を感じた彼はいつものようにスッと機械から離れた。
私が機械に手をかざした瞬間『ピンポン♪』と音が鳴り、『営業企画部広報課 柊 羽雪 9:10 出勤』と表示された。出勤時刻打刻完了だ。
そのまま自席に向かおうとして、背後でまた春野さんが認証に挑戦しようとする気配を感じた。いつもならスルーするのに今日はなぜかUターンしてしまった。
< 1 / 13 >