冷たい彼と熱い私のルーティーン
エレベーターに乗り一階に向かう。なんだか気まずい。何か会話した方がいいかな。『毎日寒いですね。』とか。しかし私がその言葉を発する前に春野さんが突然暴言を吐いたのでびっくりして飛び上がりそうになった。

「・・・あんたさ、バカじゃねぇの?」

「え!?わ、私!?何が!?」

「あんたの課、事務員5人・・・だっけ?いるのに、いっつもあんただけが電話とってるし。今日遅くなったのだって、皆でやるべき仕事を一人でやってたからだろ。」

───・・・驚いた。何で知ってるんだろ。

「そうやって何でも引き受けるから上司も無理な仕事押し付けてくんだよ。他のやつなら断るけど、あんたなら引き受けてどんだけ残業してでも仕上げてくるだろうって。」

「で、でも私は必要とされてるのが嬉しいし、経験値も上がるかなって・・・。」

「んなことしても給料が上がるわけでもないし、頼りにされてるとかじゃなくて便利に使われてるだけ。つまり軽く見られてんの。それくらい気づけよ。」

なんだかムカッとした。なんで今日初めて話した人にそんなこと言われないといけないの?
< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop