極愛〜狙われたら最後〜
俺を見上げた時には思わずあの艶々した唇に喰らい付いてしまいたくなった。

あんな身体で次々と忍者のように動き回り襲いかかっていたって事だよな…。

実際に触れた彼女は、想像よりも遥かに柔らかく華奢だった。

もっと筋肉質かと勝手に思っていたから、余計に驚いてしまう。

早く手に入れたい。
早く、俺の物にしたい…

他の誰にも触れさせたくない。

「七瀬CEO?」

名前を呼ばれハッと我に返る。
すっかり自分が今何をしていたのか忘れてしまっていた。

「ははは」

今は七瀬だ。
愛想良く振る舞わないと。

めんどくせぇ。

「もしや先ほどのお嬢さんの事で頭が一杯かな?」

なんてオヤジに言われる。

「ははは。バレましたか」

「ガハハ! 珍しい事もあるもんですねぇ! これは運命の出会いかな?」

言ってろ。

運命じゃねぇ。必然だ。

俺は必ず手に入れる。
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