極愛〜狙われたら最後〜
とりあえずちゃんとお礼を言おう。

リビングに戻ればいい匂いがしてきていた。

「いい匂い」

「今日はブリの照り焼きです」

半沢はこんな見た目なのに料理人並の腕前の持ち主だった。

栄養バランスの整った食事をこうしていつも用意してくれる。

「いつもありがとう」

「いえ」

にしても寡黙な男だな本当に。
私の事嫌いか?

いつも一切表情を変えない。
無駄な話しもしない。

いいけど別に。

「若は今日、少し遅くなるそうです。先程組員から連絡がありました」

「はーい」

「先に休んでおくようにとのことです」

「はーい」

なぁんだ。
ちゃんとお礼言いたかったんだけどな。
仕方ないか。

その後食事を済ませ、お風呂に入ると半沢は下の階の自分の部屋に帰って行った。

半沢を初め大勢の組員がここのマンションに住んでいる。
滅多に会った事ないけど。

ここのマンション自体、組が所有していて組と関係ある人しか住んでいないらしい。
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