極愛〜狙われたら最後〜
「それで?」

「それで応戦する中、若が親父を庇って…。目に毒を…。それでそのまま倒れた際に頭を強く打ったようです」

「それで記憶が?」

「はい…その…」

言いづらそうにしている半沢を見て私は察する。

「私の事を忘れてるのね」

「…はい。ちょうど一年分くらいの記憶が飛んでるようです」

「…そう」

でも良かった。
それでも生きてるなら。

「それでなんですが…」

まだ何かあるの?

「若は、姐さんと結婚するまでは、もともと女嫌いでして…」

ん? なんの話?

「もしかすると、心にも無いことを言われる可能性があるかもしれません」

「…そう」

「その…女を道具として扱っていた節が…」

なるほどね。

「…いいわ。まず連れて行って」

「はい。すんません」

そう言って何故か半沢が謝る。
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