極愛〜狙われたら最後〜
そして怪我の理由も話して、お互い愛を確認するようにここが病室だとも忘れて無我夢中で何度も何度も抱き合った。

「ん…」

「はよ。起きたか?」

ガバっと起き上がる。
今日は月曜日。

「今何時!?」

「10時」

「仕事! 遅刻!」

「クククク。大丈夫。休みの連絡してある」

「あ、そう…」

これでも無遅刻の勤勉派遣社員なんでね私。

「もう少しゆっくりしよう。誰も来ないように言ってあるから」

そう言って龍臣は私のおでこにキスを落とす。

ふふふ。
本当に龍臣だ。

「落ち着く…」

私は龍臣に腕枕をされて頬を寄せる。

「俺の記憶がない間、悪かった。本当に」

「もういいの。こうして今優しくしてくれてるし」

「俺を見離さないでくれてありがとう」

そんな…

「私が離れたくなかっただけだよ…」

なんだか急に恥ずかしくなりごにょごにょと言い淀む。

「可愛いな」

私はクルッと向きを変えて背中を向ければすかさず後ろから抱きしめる龍臣。


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