極愛〜狙われたら最後〜
〜雫side〜

どこからか、ピッピッピッピッと機械音が聞こえてきた。
この匂い…病院か。

そしてハッとして目を開くと私の隣で手を握って座ったままベッドに顔を寄せて眠る龍臣の姿が目に入った。

龍臣…
そうだ私…

少し動けば胸元に撃たれた場所に痛みが走った。

おお、やっぱりまだ痛い。
だよね。

まずこの状況からして私は命は取り止めたらしい。

さすが公衆トイレ生まれ。
施設&組織育ち。
悪そうな奴はだいたい友達…

違うか。
私友達いなかったわ。ははは。

それにしても傷口は痛いが気分は最高に良い。
私は眠る龍臣の頭をそっと撫でた。

こんなにぎゅっと手を握ってくれちゃって…
心配させちゃったな。

「龍臣」

うわ。
声がガッスガスだ。
どんだけ時間経ったんだ?
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