極愛〜狙われたら最後〜
「おはよう、雫。無事に意識が戻って良かった」
龍臣はそう言って私の唇にキスをした。
「ははは。ガサガサだ」
私の唇を指でそっとなぞり少しだけ困った顔をするも、口元は微笑んでるし瞳の奥も優しい。
「仕方ないでしょ?」
「ははは。声も凄い事なってるな」
そう言って頭を撫でられる。
「雫。お前、妊娠してたぞ。4ヶ月に入ったところだって」
微笑むその顔は慈愛に満ちて見えた。
「ほら。これ」
そう言って龍臣が握りしめていた物を見せられる。
嘘…
「妊娠…? 今、お腹に…いるの?」
「そう。俺たちの子が今、ここにいる」
龍臣は嬉しそうに私のお腹に優しく手を乗せた。
私も一緒にお腹に手を添える。
「う、嘘でしょ…」
私、妊娠できたの?
にわかには信じられない。
「嘘じゃない」
「私…母親になる…の?」