極愛〜狙われたら最後〜
「ああ。もう母親だよ、お前は」

龍臣は私の頭を優しく撫でてオデコにキスを落とした。

急な事で頭が全然追いつかない。

「驚いたよな。俺も驚いた」

そう言いながら頬を撫でられる。
私は泣いていたらしい。

「こんな目にあわせてしまって…」

龍臣は悔しそうに眉をひそめ俯くもすぐに顔をあげて私を真剣な眼差しで見つめてきた。

相変わらず綺麗な顔だ。

「今度は俺がお前も腹の子もちゃんと守る」

なんて頼もしいんだろう。
一瞬、嬉しさの反面、ちゃんと育てられるのか不安になったけどそんな考えは吹っ飛んだ。

龍臣を見上げてコクっと頷くと静かに唇にキスが降ってきた。

柔らかくて温かい。
優しさで包まれるようなそんなキスだ。


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