極愛〜狙われたら最後〜
そしてゆっくりと唇が離れるとまた頭を撫でる龍臣。

それは愛おしそうに見下ろしながら微笑むその顔はいつにも増して優しさで溢れているように見えた。

最初こそこの漆黒の瞳から感情を読み取るのはなかなか至難の業だったが、こうして気持ちが通じた今は最初の頃が嘘のようにわかりやすくなった。

それは龍臣が隠していたのかなんなのかはわからないけど。

龍臣は私のお腹に乗せた大きな手をゆっくり動かす。
温かい。
この手で私とお腹の子を守ってくれる。

私のお腹に龍臣との子が…

そしてハッとする。

「龍臣! お腹の子は無事なのよね!?」

今更だがこの状況が大変な状況であるという事に気がついた。

「え? あ、ああ」

急に凄い剣幕で捲し立てるように話す私に驚いている様子。
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