極愛〜狙われたら最後〜
「私ったら…気づきもしないで暴れ回ったうえに、こんな怪我までしちゃって…」

ガッと龍臣の腕を掴む。

その手に龍臣は自分の手を添える。

「大丈夫だ。傷が治るまではこのまま入院して安静にするようにとは言われてるが、腹の子は元気だ」

「本当に!?」

気づかなかったとはいえ、めちゃくちゃ暴れちゃったぞ?

「本当だ。なかなか強い子なのかもな」

ぽんぽんと優しくお腹に当てた手を動かす龍臣。

この奇跡とも言える大事な命を私も守りたいと思った。
妊娠は私の中で夢のまた夢だったから…。

この奇跡の愛の結晶はこの先何がなんでも守り抜かないと。

龍臣と私の子。

私たちはこの子に選ばれたんだ。

「きっと元気な子を産んでみせるね」

「ありがとう雫」

「龍臣。ありがとう」

私にたくさん愛を注いでくれて。

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