極愛〜狙われたら最後〜
そして自分のお腹をよくよく見てみたら、少し膨らんでる気もしなくない。

「ねぇ。お腹膨らんでない?」

「だからさ。なんで気づかなかったんだかな」

本当それ。

生理が来ないのなんて日常茶飯事過ぎて気にもしてなかったし。

「つわりとかないんだけど」

「個人差があるみたいだぞ」

「そうなんだ」

そしてまた写真を見る。

「ちゃんと赤ちゃんの形してる」

「医者を呼ぼう。みんな雫が目を覚ますのを待ってる」

私はコクっと頷いた。

すると機材を持ったナースを引き連れて無精髭を生やした医者がタバコを吸いながらやってきた。

ちょ、大丈夫この人。

「おい」

龍臣が声をかける。

「わかってるよ」

そう言って医者はすぐにタバコを消した。

「雫。これは中谷といってうちの組で世話になってる医者だ。こんなだが腕は確かだ。お前のオペもこいつがしてくれた」

そうなんだ。

「ありがとうございます」

「タツ。こりゃ相当な別嬪だな。ガハハ! そりゃやりまくるよなぁ」

中谷という医者はそう言って豪快に笑う。


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