極愛〜狙われたら最後〜

そして出迎えられた組員の間を通って、一度本家に顔を出して組長に挨拶をする。

「雫さん。お帰り。退院おめでとう」

「ありがとうございます。心配おかけしました」

「ははは。この世界にいりゃ心配なんて尽きねぇ」

そう言って龍臣とそっくりな顔で笑う。

「親父、それじゃ」

「ああ。早く新居に案内してやれ」

「行こうか」

立ち上がる私の腰に手を添える龍臣。
私は見上げて微笑んだ。

そして一度玄関を出て、離れに建つ新居へと向かった。

「す、凄いね」

「ここなら子供ものびのび暮らせる」

黒の外観でところどころに木の格子が使われて大きな窓が特徴的なオシャレなデザインの家。

黒のマットな玄関ドアを開けて中に入れば物凄い豪華でモダンな雰囲気の広い玄関が出迎えてくれた。