極愛〜狙われたら最後〜
すっかり大きくなったお腹を後ろから手を回してゆっくりと撫でる龍臣。

私はそんな龍臣に寄りかかって目を閉じる。

幸せだ…

龍臣が私を見つけてこうして私を愛してくれて。

こんな宝物まで。

こんな風な人生を送れるだなんて思ってなかった。
こんな風に母親になる喜びを知る事が出来るだなんて。

「龍臣…ありがとう」

「はは。どうした急に」

龍臣は笑いながら私の頬にキスをする。
顔だけ振り向いて見上げる。
私にしか見せない甘い顔。

「幸せ過ぎて怖い」

揺れる瞳。

「俺も…思う。いつどこで危険が待ってるかもわからない。下手すりゃ明日にでも命はないかもしれない」

そうだよね。
そういう世界だもの。

「でも…。それでもこうして一緒にいられる時間を大切にしたい」

「うん」

本当にそう。

「お前は俺に何があろうともこの子を守れ。そして強く生きるんだ」

死ぬ時は一緒…
でもそれは二人だけの時の約束だ。

今は守るべき命がある。
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